こんな疑問を解決できる記事になっています。
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今回は、男性育休の義務化についてお話していきます。
結論を先に言うと、男性の育休取得を義務化すべきです。
とはいえ、結論だけを見ても「なぜ義務化すべきなのか」が納得できないと思うので、男性育休の現状を踏まえつつ解説していきますね。
男性で育休を取るかどうか悩んでいる方は、その必要性を理解できると思います。
さっそく本文へいきましょう。
目次
男性の育休取得の現状
まずはじめに男性の育休取得の現状について解説していきます。
男性で育休を取りたいと思っている人は78.1%
株式会社パートナーエージェントが20〜49歳の独身男性を対象に行った調査によると、育休を取りたいと答えた割合は78.1%でした(参考:https://www.p-a.jp/research/report_130.html)。
調査対象が独身男性だったとはいえ、これから子どもが産まれる男性の約8割が育休を取りたいと考えているのです。
さらに「積極的に育休を取って、男性の育休も当たり前な世の中にしていきたい」と回答した人の割合は60.8%でした。
つまり、男性の半数以上は育休取得の意向があり、男性の育休取得を当たり前の世の中にしていきたいと思っているのです。
実際の男性の育休取得率は12.65%
育休を取得したい男性がいる一方で、実際に育休を取っている人はどのくらいなのでしょうか?
2020年(令和2年)の調査によると、男性の育休取得率は12.65%で、過去最高を記録(参考:厚生労働省)。
2025年に男性の育休取得率を30%までに引き上げたい構想のようです。
国としても、男性の育休取得を推進することで、子育てしながらも働きやすい環境を作ろうとしています。
とはいえ、実際に育休を取りたい人が8割ほどいるにも関わらず、実際に取得している人が1割程度と、かなり乖離がありますね。
まだまだ男性の育休は一般的ではないなと感じます。
2022年より男性育休の法改正が行われる
2022年より男性の育休取得の法改正が行われます。改正の内容は以下の通り。
- 2022年4月〜男性の育休取得のための雇用環境整備、個別の周知・以降確認の義務化
- 2022年10月〜生後8週間以内に4週間まで取得可能な産後パパ育休を創設、1歳までの育児休暇を2回に分けて取得可能
- 2023年4月〜育休取得状況の公表の義務化
簡単に言うと「育休の制度を見直したよ、企業は男性が育休を取りやすい環境を整えて、取得状況を公表してね」ということです。
政府としても、男性の育休を推奨することで男女平等に働ける環境を作り、女性の活躍や出生数の向上を目指しているのでしょう。
これからは社会全体として男性の育休取得を推進しようという流れが強まっていくと思います。
また、「男性の育休が取れない会社」はマイナスのイメージでみられるようになっていくはずです。
育休取得経験のある僕としても、この流れはどんどん加速していってほしいなと思います。
男性育休は義務化すべきだと思う話
では、現状を踏まえつつ、男性の育休取得を義務化すべきと思う理由について解説していきます。
そもそも産後の女性のワンオペ育児は無理
まずそもそも、産後の女性が1人で育児も家事もするというのは無理な話。
なぜなら、産後の女性の身体が回復するのには時間がかかるから。
産後の女性の身体が元に戻るまでの生後6〜8週間を「産褥期」と呼び、この時期は心身ともに不安定なのです。
個人差はあるものの、心身ともに不安定な産後の女性が、1人で育児や家事をできるはずがありません。
以下の状況を想像してみてください。
心身ともに不安定な産後の女性が、8時〜18時まで産まれた子どもと家で2人っきり。話し相手は言葉の通じない子どもだけ。3時間おきに授乳やオムツを替えて、その間に家事。なかなか眠らず、抱っこしても泣き止まず、1時間抱っこし続ける。しかもそれが毎日続く。
もし自分自身がその立場だったら、こんな状況に耐えられますか?僕は、無理だと思います。
産後の女性1人に家事育児の負担がのしかかった結果、「産後うつ」や虐待、ネグレクトにつながってしまうこともあるのです。
男性が育休を取って家事育児をやることは、産後の女性を休ませるためには、絶対に必要です。
妻との仲が深まり、子どもとの絆も深まる
男性が育休を取れば、夫婦関係や親子関係にも良い影響があります。
なぜなら、余裕があればあるほど、思いやりや愛情を持って他人と接することができるから。
自分に余裕がなく常にギリギリの状態だったら、自分のことで精一杯で、他人のことを考える余裕なんてありませんよね。まして、心身ともに不安定な状態の産後の女性はなおさら。
男性が育休を取り、女性が心身の回復に専念できる環境を作ることで余裕が生まれ、夫婦関係や親子関係に良い影響を与えるのです。
こんな調査結果もあります。厚生労働省のデータによれば、「夫の家事・育児時間が長いほど、妻の継続就業割合が高く、また第2子以降の出生割合も高い傾向にある」とのこと。
この結果から、男性が家事育児をしない場合、女性は「1人目であれだけ大変だったから」と2人目をあきらめてしまう人が多いのだと思います。
僕自身も育休を取って、妻と協力して子育てをしたからこそ、2人の絆が深まりました。
男性の育休取得は、親子関係や夫婦関係を良くすることにつながります。
実はメリットだらけ!男性育休のメリット7つとデメリット3つ【実体験】で、男性育休のメリット・デメリットも解説しています。
女性の活躍や社会全体の理解が深まる
男性の育休取得があたりまえになれば、女性の活躍につながります。
なぜなら、女性だけが不利な扱いを受けることが少なくなるからです。
これまでの日本では、出産や育児を理由に女性の評価が下がったり、昇格や昇給に影響が出たりすることがあったのは事実(これ自体がおかしなことですが)。
「男性も育休を取ってあたりまえ」が広まれば、男女平等な社会になっていくと思います。
企業としても、男性でも育休を取ることを見越して採用計画や人員配置をするようになるでしょう。
男性の育休取得が義務化されれば、社会全体で「男性も女性も働きやすい環境」を作っていけると思います。
まとめ:男性の育休取得を義務化すればメリットがたくさん
今回は、男性の育休取得を義務化すべきというお話をしてきました。
男性が育休を取って家事育児をしっかり行うことは、家族のためであり、社会のためにもなると思います。
いまでこそ、男性で育休を取る人はまだ珍しいかもしれませんが、今後はあたりまえになっていってほしいですね。
本記事を読んで、男性の育休取得という選択肢が増えてくれたら嬉しいです。
僕が育休を取ろうと思った理由は以下の記事で解説しています。
また、実際に取得してみての感想も以下の記事にまとめているので、チェックしてみてください。
・男性の育休取得が義務化されるって聞いたけど、よくわからないな。
・そもそも男性の育休取得を義務化すべきなの?